こんにちは!ファッションデザイナーの江森です。
あなたは普段ジャケットを着ていてこんなことを思ったことはありませんか?
「とにかく動きやすく着やすいジャケットがあればいいのにな?」
「シワになりにくくて扱いも楽チンなジャケットってないのかな?」
そんなあなたには、「ジャージャージャケット」をオススメします。
この記事では、ジャージージャケットについてプロの目線で分かりやすくご紹介していきたいと思います。
Contents
あなたが欲しいジャージージャケットのイメージは?
あなたが欲しいと思うジャージージャケットのイメージを下記に挙げる例の中から選んでみて下さい。
私が考えるあなたのニーズに合うオススメのジャージージャケットのタイプをご紹介します。
「仕事にも着ることができるキレイめなモノが欲しい!」 「長く着用してもヒジ部分が伸びたりしない、しっかりとしたモノが欲しい!」 「清涼感があり、夏でも涼しく着れるモノが欲しい!」 「デニムなどにも合わせられるカジュアル感のあるモノが欲しい!」あなたのニーズに合うジャージージャケットとは?
あなたに合うジャージージャケットを4つのタイプに分けてご紹介していきたいと思います。
2-1.仕事でも使えてスッキリ見せたいなら天竺タイプ
CIRCOLO(チルコロ)1901の天竺ジャージージャケット
仕事にも着ることができるキレイめなジャージージャケットを欲しいあなたには天竺素材タイプがオススメです。
天竺タイプは表面感はフラットですが、光沢感やドレープ感があるものが多く、ドレッシーに着こなすことができます。
素材としても薄手で適度な伸縮性もあるので動きやすく、ネイビーなどのカラーを着用すれば、ビジネスシーンでも使えるセンスの良い紺ブレスタイルを演出することができます。
2-2.着用してもヘタリにくい丈夫さを求めるなら度詰め天竺タイプ
SOLIDO(ソリード)の超度詰め天竺ジャージージャケット
ヘビーローテンションでジャージージャケットを着用したいあなたには度詰め天竺タイプがオススメです。
ジャージージャケットの問題点として、着用後に起こる「伸び」や「ダレ」などがあり、ジャージーという素材自体が編み物(ニット)であることもあるので伸びやすいという特性も否定できない部分があります。
ジャージー素材の中で天竺は比較的しっかりしていますが、更にしっかりさせた度詰め天竺であれば、伸びを気にせずガンガン着倒すことが可能です。しかし、その反面では糸を詰めて編むことによりジャージー本来の伸縮性は弱くなるので、動きやすさを求めるニーズには向かないので注意が必要になります。
2-3.清涼感と通気性を求めるなら鹿の子タイプ
FIDELITY(フィデリティー)クールマックス鹿の子ジャージージャケット

春夏でも着ることができる清涼感と快適な機能性を求めるあなたには鹿の子タイプがオススメです。
表面感ある素材の表情や通気性だけでなく、クールマックスなどをブレンドすることにより吸汗速乾など、夏でも涼しく着用できる機能性も兼ね備えたタイプもあるスグレものです。
鹿の子タイプの難点は夏でも着用できることを想定して薄く軽くつくられている場合が多いので「伸び」や「ダレ」が起こりやすいことです。
4-4.よりカジュアル感を求めたいなら裏毛タイプ
TOMORROWLANDの裏毛ツイルジャージージャケット

ジャージージャケットはオンでもオフでも着まわすことが可能ですが、その中でも裏毛タイプは、特にカジュアルで抜け感のあるスタイリングに適しています。
裏側のパイル地により、ふくらみ感や適度なハリ感を感じさせるので、ジャケットを着るというよりもスウェットやパーカーを羽織るような感覚で着こなすことができます。
ジャージージャケットとは?
あなたが選んでいただいたジャージージャケットの「ジャージー」とはそもそもどんなものなのでしょう?
スポーツウェアの「ジャージ」はよく聞き慣れているのですが、違うのでしょうか?
ここではジャージーについて詳しく解説していきたいと思います。
3-1.ジャージー素材とは?

織物(生地)ではなくジャージー編みという編み物(ニット)の一種であり、ジャージー編みで伸縮性を持たせた布地をジャージー素材と言う。
ジャージーの名の由来は15世紀にイギリスのジャージー島でつくられたニットが発祥となったことからそう呼ばれるようになりました。
日本では、スポーツウェアやトレーニングウェアに使われることも多く、この場合は「ジャージ」と呼ばれています。
しかし、本来はウェアの名称ではなくて素材の呼び名のことであり、呼び方も「ジャージ」ではなく「ジャージー」が正しくなります。
混率的にも、ウールやコットン、リネン、ポリエステルなど様々なタイプがつくられています。
3-2.ジャージー素材の種類は?

ジャージーには様々な種類がありますが、代表的なモノを挙げると3つになります。
天竺素材、鹿の子素材、裏毛素材の3つですが、ひとつずつ解説していきたいと思います。
天竺素材とは(てんじく)

一番ポピュラーなジャージー素材で、表面感があまりなくて横方向への適度な伸縮性と耐久性に優れているという特徴からTシャツやロンTなどに多く用いられています。
天竺自体もしっかりした素材ですが、さらにしっかりさせた素材として「度詰め天竺」があります。
「度詰め天竺」とは素材を編む際に糸の間隔をより詰めて編み上げるというタイプで、通常の天竺素材に比べてしっかり感のある硬い素材になり、より耐久性が強くなるというメリットがある反面、横方向への伸縮性は弱くなるという特徴があります。
鹿の子素材とは(かのこ)

表面に凹凸感があって直接体に触れる面積が天竺に比べて少ないため、サラッとした着心地感が特徴となっていることから、ポロシャツなどに多く用いられています。
高い通気性と吸汗速乾性などからも夏の代表素材となっていますが、横方向への伸縮性は天竺素材と比べて弱い部分があります。
鹿の子の名前の由来は鹿の子供に見られる白いまだら模様に組織が似ていることからきています。
私は大学を出てアパレルの会社に新卒で入社した直後に「鹿の子」を「しかのこ」と呼んで、みんなに大笑いされたことがあります。「鹿の子のポロシャツ」とは鹿のプリントがされたポロシャツだと信じて疑いませんでした。今では懐かしい思い出です。
裏毛素材とは(うらけ)

表側が天竺で裏側がタオル地のようなパイル状になっている素材のことで、このパイルが吸水性や保温性にも優れた特徴を持つことからトレーナーやスゥエットなどに多く用いられています。
汗を吸ったり、暖かさがある反面、少し肉厚感がでてしまうことが難点になりますが、裏側のパイルの毛を細く毛足を短くすることにより素材を薄くしたタイプがあり、これを「ミニ裏毛」と呼びます。「ミニ裏毛」は気温が上がってくる春に着用するのが適した素材です。
ジャージージャケットのメリットは?
ジャージー素材などについて解説してきましたが、ジャージージャケットにはどんなメリットがあるのでしょうか?
下記の5つのメリットについて解説していきたいと思います。
- 伸縮性があり動きやすい
- フィットしたサイズ感でも楽にスマートに着られる
- 取り扱いが楽でシワにもなりにくい
- 吸汗速乾などの機能性があり、快適である
- カジュアル感があり、着回しが効くのでオンオフ使える
4-1.伸縮性があり動きやすい
元々、Tシャツやスウェットに用いられる素材を使用していることもあり、伸縮性があって非常に動きやすいのがジャージージャケットの特徴です。
ストレッチ性だけでなくキックバック性にも優れているので、外回りなどを中心にアクティブに活動する営業系ビジネスマンのあなたにはピッタリのアイテムと言えます。
4-2.フィットしたサイズ感でも楽にスマートに着られる
ジャージージャケットは天竺や鹿の子など比較的薄手の素材が多く、ストレッチ性もあるので細身につくられている場合が一般的ですが、無理なく自然に着ることができます。
窮屈感を感じやすい肩や腕廻り、ウエスト部分なども苦しさを感じずに快適にスマートな着心地感を楽しむことができます。
4-3.取り扱いが楽でシワにもなりにくい
ストレッチ性やキックバック性があるジャージージャケットは、シワになりにくく、シワになっても回復力が早いというメリットがありますので、出張や旅行で着る一着としては最適と言えます。
4-4.吸汗速乾などの機能性があり、快適である
ジャケットを着用するときの問題点として、春夏の気温が上がったときの「蒸れ」などがありますが、ジャージージャケットではこの問題も解消することができます。
鹿の子素材などは元々サラッとした肌触り感が特徴ですが、更に「クールマックス」など吸汗速乾の機能を持った糸をブレンドすることにより、春夏でもより涼しくドライに、より快適にジャケットを着用できるようになります。
4-5.カジュアル感があり、着回しが効くのでオンオフ使える
元々、Tシャツやポロシャツ、スウェット用の素材だったこともあり、キレイめな着こなしだけでなくデニムやチノパンなどにも合わせたカジュアルスタイリングにも相性抜群です。
ビジネスシーンだけでなく、休日着としてもオンオフ兼用で使える優れものの一着と言えます。
ジャージージャケットのデメリットは?
イイことずくめのジャージージャケットですが、デメリットはあるのでしょうか?
下記の3つのデメリットについて解説していきます。
- 編みのため着用頻度が高いとダレてくる場合がある
- 表面感のあるタイプは糸をひっかけてキズになりやすい
- しっかりとした編みのタイプは通気性に欠ける
5-1.編みのため着用頻度が高いとダレてくる場合がある
普通の素材のように織物ではなく、ニットの編みのために長時間の着用や着用頻度の多さによって、伸びてダレてしまう可能性もあります。
しっかりとした度詰め天竺素材などでは心配はありませんが、天竺素材でも編みが甘く柔らかいタイプや鹿の子素材などでは肩幅や着丈などが自然と伸びてしまう可能性もあるので要注意になります。
ジャージー素材の中でも素材が薄くて柔らかいタイプは型くずれがしやすい場合もあるので選ぶ際にはよくチェックしてみて下さい。
5-2.表面感のあるタイプは糸をひっかけてキズになりやすい
天竺や裏毛など素材の表面感がフラットなタイプは問題ありませんが、鹿の子や変形鹿の子などの表面の組織感がある場合は、着用時に糸のひっかけやほつれなどでキズにしてしまう可能性があります。
ジャージー素材の中では鹿の子が一番表面感があって高級感もありますが、着用する際には繊細な注意が必要になります。
5-3.しっかりとした編みのタイプは通気性に欠ける
鹿の子素材は別として度詰め天竺や裏毛などの素材はしっかりしているため、通気性に欠けるという難点があります。
一般的には春夏シーズンに着用するジャージージャケットの素材としては鹿の子や天竺、秋冬シーズンに着用する素材としては度詰め天竺や裏毛などに分けることができますので、季節によってジャージージャケットを選ぶ際のポイントにもなります。
ジャージージャケットにデニムやTシャツを合わせてカジュアルに着こなしたいあなたには裏毛タイプがオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
以上のようにあなたの求めるイメージに合わせてジャージージャケットを選んでいただき、快適なジャケットライフを楽しんで下さい。
この記事を参考にして、良い買い物ができることを願っています。