こんにちは!ファッションデザイナーの江森です。
スーツを買った後、後悔してしまったことはありませんか?
「店の人に言われるがままに決めてしまった。」
「とりあえず安いからあまり考えずに買ってしまった。」
など適当に選んでしまって、買った後にイメージが違ってしまうケースは良くある事です。
この記事では、今後あなたがスーツで後悔しない為の選び方をイタリアやオーダーなどのスーツに30年間携わってきたプロの目線でわかりやすくご紹介していきたいと思います。
この記事を最後まで読んで頂ければあなたは明日から必ず言えます。
「私スーツ選びで失敗しないので!」と。
スーツ選びの前にする事
スーツ選びで失敗しないためにも、スーツを買いにお店に行く前にやるべきことが2つあります。
まずその2つについて解説していきます。
1-1. スーツを着てどうなりたいかをイメージする
スーツを選ぶ前に自分がスーツを着てどうなりたいか、またどういう印象を人に持ってもらいたいかを事前にイメージしておくことが重要です。
この記事は長いので時間が無い「あなた」や結論を急ぎたい「あなた」は下記のイメージ例をクリックしてみて下さい。
私が考えるオススメスタイルを手っ取り早くご紹介します。
・イメージ例
- 「仕事が出来るイメージに見られたい!」
- 「とにかく女子にウケるようにカッコよくしたい!」
- 「育ちが良さそうに見られたい!」
- 「マジメに見られたい!」
- 「クールな感じに見られたい!」
- 「個性的に見られたい!」
- 「センスの良いイメージに見られたい!」
- 「さわやかなイメージに見られたい!」
- 「セクシーなイメージに見られたい!」
- 「スマートでシャープなイメージに見られたい!」
など、誰にどう見られたいかをイメージしてスーツを選ぶ事が失敗しないスーツ選びのポイントです。
1-2. 自分の体型の特徴を知る
スーツを選ぶ際には、体型に合ったモノを選択する事が重要なポイントです。大体でも自分の体型の特徴を知っておかないとサイズやシルエットの選択を失敗してしまうことになります。
スーツを買いに行く前に自分の体型のことを大まかにでもつかんでおきましょう!
具体的には
- 細身なのか、太めなのか?
- 顔は大きめなのか、小さめなのか?
- 胸板は厚いのか、薄いのか?
- 腕は長いのか、短いのか?
- お尻は大きいのか、小さいのか?
など、自分ではわからない場合は、人に聞いたりして自分の体型の特徴をつかんでおくようにして下さい。
スーツの基本スタイルと特徴
スーツを購入する上で、スーツにはどんなタイプがあるのかを理解しておくことも重要です。ここでは4つのスーツのスタイルについて解説していきます。
2-1.ブリティッシュトラッドスタイル
ブリティッシュトラッドを代表ブランド ハケット・ロンドン
・ブリティッシュトラッドは、仕事ができる・マジメ・クールなどの印象を与えたい「あなた」にオススメのスタイルです。
・ブリティッシュトラッドの考え方
勤勉で王室などの伝統や階級を重んじる保守的な考え方がベースになっている。
自分の身分を示すためや相手に対するマナーとしてスーツを着るというスタイル。
元々はロンドンの仕立て街である「サヴィル・ロウ」で上流階級が仕立てた事がスーツの発祥と言われている。
・ブリティッシュトラッドスタイルの特徴
・全体シルエット・・・・しっかり構築的で胸板を強調させた男性的シルエット
・肩廻り・・・・パッドがしっかり入った直線的なショルダーライン
・ウエストシェイプ・・・・高い位置でシェイプさせて上半身を強調
・Vゾーン・・・・ボタン位置もやや高く、比較的浅めなので万人向け
・ブリティッシュトラッドスタイルの人に与えるイメージ
知的、堅そう、マジメ、カッチリ、シャープ、スタイリッシュ、クール
・ブリティッシュトラッドスタイルを買えるブランド
ハケットロンドン、ポールスミス(遊び心あり)、バーバリーロンドン、ダンヒル、オースチンリード、タケオキクチ(ジャパンブリティッシュ)
2-2. クラシコイタリアスタイル
クラシコイタリアを代表するブランド ラルディーニ

・クラシコイタリアは、カッコイイ・センスが良い・セクシーなどの印象を与えたい「あなた」にオススメのスタイルです。
・クラシコイタリアの考え方
人生を謳歌する楽天的な考え方がベースになっていて、とにかく「女性にモテたいから」スーツを着るというスタイル。
自分をカッコよく見せることにこだわり、さりげないエレガントこそが 「美」であるというポリシーを持っている。
・3つのスタイル・・・・イタリアには3つのスタイルがあります。
・ミラノ・・・・アルマーニやグッチ、ドルガバなどのデザイナーズ系スーツ
・ナポリ・・・・オーダーメイド(ス・ミズーラ)が基本となる職人仕立て服
・クラシコ・・・・仕立て服の要素を取り入れたクラシックな既製服スーツ
・クラシコイタリアスタイルの特徴
・全体シルエット・・・・柔らかさが強調された丸みのあるシルエット
・肩廻り・・・・ノーパットか薄いパットで構成されたソフトなショルダー
・ウエストシェイプ・・・・やや低目の位置のウエストシェイプ
・Vゾーン・・・・やや広めでウエストにかけてのラインがセクシーさを強調
・クラシコイタリアスタイルが人に与えるイメージ
セクシー、遊んでそう、オシャレ、センスが良さそう、モノにこだわっていそう
・クラシコイタリアスタイルを買えるブランド
ラルディーニ、ボリオリ、タリアトーレ、主要セレクトショップのオリジナルスーツ、スーツカンパニー
2-3.アメリカントラッドスタイル
アメリカントラッドを代表するブランド ブルックスブラザーズ

・アメリカントラッドは、育ちが良い・さわやかなどの印象を与えたい「あなた」にオススメのスタイルです。
・アメリカントラッドの考え方
ブリティッシュトラッドスタイルの影響を受けながらもアメリカらしく合理的な考え方がベースになっている。
細かいディテールやこだわりよりもどんな体型の人にも合うことが重要であるというスタイル。
・アメリカントラッドスタイルの特徴
・全体シルエット・・・・着る人を選ばないややゆったりとしたボックスシルエット
・肩廻り・・・・パッドも適度な薄さのナチュラルショルダーなライン
・ウエストシェイプ・・・・シェイプもあまりないナチュラルなボックスシルエット
・Vゾーン・・・・体格が良い人が着ても窮屈感のないようにVゾーンは深め
・アメリカントラッドスタイルの人に与えるイメージ
上品、育ちが良さそう、さわやか、イイ人そう、安心感がありそう
・アメリカントラッドスタイルを買えるブランド
ブルックスブラザーズ、ラルフローレン、Jプレス、ニューヨーカー
2-4.ヨーロピアンモードスタイル
ヨーロピアンモードを代表するブランド ディオールオム

・ヨーロピアンモードは、個性的・スマート・シャープなどの印象を与えたい「あなた」にオススメのスタイルです。
・ヨーロピアンモードの考え方
歴史は浅く主にフランスのデザイナーたちが造り出したモードな考え方がべース。
クラシックというよりレディースファッションのテイストをメンズに取り入れたスタイル。
近年ではエディスリマンがディオールオムで仕掛けたナローなスーツスタイルが有名。
・ヨーロピアンモードスタイルの特徴
・全体シルエット・・・・とにかく細身、スマートさを強調したナローなシルエット
・肩廻り・・・・パッドもしっかり入った狭い肩幅のシャープなショルダー
・ウエストシェイプ・・・・シェイプのしっかり入ったタイトなシルエット
・Vゾーン・・・・2つボタンや1つボタンが主流なので、ラペルも細くVゾーンも深め
・着丈・・・・他のスタイルに比べて短い着丈がポイント
・ヨーロピアンモードスタイルの人に与えるイメージ
個性的、細い、ナルシスト、シャープ、中性的、ミュージシャンっぽい
・ヨーロピアンモードスタイルを買えるブランド
ディオールオム、サンローランオム、ZARA、スーツセレクト
自分に合ったサイズ選びとは
スーツを選ぶ際にはサイズ感は大変重要ですので、下記の2つのポイントを押さえておくことがポイントになります。

3-1.正しいサイズ表記の知識を手に入れる
スーツを買いに行く前に、お店で売られているスーツのサイズ表記と自分に体に合うサイズのイメージを事前に頭に入れておくことも重要です。
現在各SHOPで販売されているスーツには日本のサイズ表記とヨーロッパサイズ表記の2種類があります。
*日本&ヨーロッパサイズスペック比較表
着用する人のBODYの目安 | 身長 | 160~165c | 165~170c | 170~175c | 175~180c | 180~185c |
胸囲(ヌード) | 88~90c | 90~92c | 94~96c | 98~100c | 102~104c | |
サイズ表記の各国比較表 | 日本 JIS規格 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
日本 | S | M | L | LL | 3L | |
イタリア | 44 | 46 | 48 | 50 | 52 | |
アメリカ | 34 | 36 | 38 | 40 | 42 | |
フランス | 34 | 36 | 38 | 40 | 42 |
・JIS規格の表記は身長のみのサイズの目安です。(4~8サイズ)
・JIS規格の場合はこれに体型表記があります。
*日本JIS規格体型記号表
体型記号 | 胸囲-ウエスト=差寸 |
---|---|
Y体 | 差寸 16cm 細身体型の人 |
YA体 | 差寸 14cm やや細身体型の人 |
A体 | 差寸 12cm 標準体型の人 |
AB体 | 差寸 10cm やや体格の良い体型の人 |
B体 | 差寸 8cm やや体格の良い体型の人 |
BB体 | 差寸 6cm 体格の良い体型の人 |
BE体 | 差寸 4cm 体格の良い体型の人 |
*体型記号の意味は?
・数字が大きくなるほど細身の逆三角形体型の人になる。
・数字が小さくなるほど太めの寸胴体系の人になる。
3-2.正しいサイズ感の基本を知る
スーツを試着した際には必ず下記のチェックポイントを確認して下さい。
チェックポイントを押さえれば、必ずあなたの体に合ったスーツを買うことが出来ますので1つ1つ解説していきます。
・肩幅を合わせてみる

「スーツは肩で着る」と言われます。ジャストサイズの肩幅で着用して首に重みを感じることで、長く着ても肩が凝らず疲れにくくなります。
自分の肩先と上着の肩先がちょうど合っているのがジャストフィットです。
上着の肩先をつまんで0.5~1㎝ぐらいゆとりがあるのがベストです。
・バストを合わせてみる

上着のボタンを閉じた状態で握りこぶしが一つ入るぐらいが適性なゆとり感です。
・着丈を合わせてみる

ヒップがちょうど隠れるくらいがベスト。ヒップが見えすぎていたり長すぎる場合はバランスが悪い見え方になります。
・袖丈を合わせてみる

腕を真っ直ぐおろした状態で、シャツのカフスが1~1.5cぐらい出るのがベストです。
・ウエスト位置を合わせてみる。

へそ下にパンツのウエストベルトが当たる位置ではくのがベスト。
・ウエストサイズを合わせてみる。

パンツのウエストに握りこぶし一つ入るぐらいのゆとりがベストです。
・ヒップを合わせてみる。
ポケットが開かずに適度なゆとりがあるのがベストです。ヒップの上下にシワが入ったりせず、ヒップのカーブに自然にフィットしている事がポイントです。
スーツの試着時にチェックすべき点
自分に合ったサイズを確認した後は、購入しようと思っているスーツを試着した際に、必ずチェックすべきポイントをジャケットとパンツに分けて解説していきたいと思います。
このチェックポイントをクリアしたスーツこそが、あなたの体型に合ったスーツと言えます。良い買い物をするためにも必ず実践でチェックしてみて下さい。
4-1.ジャケットの試着時のポイント
・襟が首に沿っているか?

スーツを肩で着る上で試着した時に首に適度な重さを感じられるかがポイントです。
着物のように襟が首の後ろに抜けたりしないでフィットしているかを確認する。そのまま着ていると肩が凝りやすくなってしまう。
・背中の襟下にシワが入っていないか?

背中の襟下部分に横ジワが出ることを「ツキジワ」と呼びます。いかり肩のように自分の肩と上着の肩ラインが合っていない場合に出るのでよく確認して下さい。
・袖にシワが入っていないか?

袖の上部に横ジワが出る場合は、二の腕の太さに対して上着の袖の太さが合っていなかったりアームホールが小さすぎる事が原因なので、サイズを大きくするか別のモデルを選択する。
・胸まわりからウエストにかけてシワが入っていないか?

胸からウエスト部分に深いシワが出る場合は、ジャケットのバストが小さすぎるかウエストが細すぎるのが原因になるので、サイズを大きくするか、別のモデルを選択する。
・裾のベントが開いていないか?
スポーツなどをやっていた人でヒップが大きい人が着ると裾のベントが開いてしまう場合があります。裾の距離とヒップの寸法が合わないケースになるので別のモデルを選択する。
・ベントとは・・・・ジャケットの背中の裾に入る切れ込みのこと。元々は乗馬の際座った時にラクなようにと考えられたディテール。
両脇にある切れ込みをサイドベンツ、背中心にある切れ込みをセンターベントと呼んでいる。
4-2.パンツの試着時のポイント
・ポケットが極端に開いていないか?
ポケットが極端に開いてしまう場合、お尻の大きさや腰骨の張り出し方に対してパンツのヒップ寸法などが小さい為、引っ張られて起きることが原因です。この場合はワンサイズ大きくするか、別のモデルを選択する。
・ヒップがくい込んでいないか?
お尻が大きい人の場合、ウエストで合わせて試着するとヒップがくい込んでしまうことがあります。パンツのヒップ寸が小さいことが原因でもあるので、ヒップに合わせてサイズを大きくするか別のモデルを選択する。
・タックが開いていないか?
1タックはタックが浅いと開いてしまう場合があるので確認する。タックが浅い場合、タックの深い別のモデルを選択するか、2タックを試着してみる。
・股下の丈は適正な長さになっているか?

ウエスト位置を適正に腰骨の位置に合わせて試着したら股下の長さを確認する。裾幅の違いによって裾のバランスも微妙に違うので注意する。
裾幅18~19cmの場合は裾をノークッションもしくはハーフクッションにする。
裾幅20~22cmの場合はワンクションにする。
体型別似合うスーツの傾向とは
スーツをカッコ良く着こなすためには自分の体型に合ったモノを着ることが大変重要です。ここでは体型別に似合うスーツや注意点を解説していきます。
5-1.太めのポッチャリ体型

・太めポッチャリ体型のあなたに似合うのはアメリカントラッドスタイルです。
アメリカントラッドスタイルは全体のシルエットに程よいゆとりがあります。
薄手の肩パットでナチュラルなショルダーラインとシェイプのゆるやかなウエストラインが体を無理に締め付けずにシンプルですっきりとした印象を与えてくれるメリットがあります。
・太めポッチャリ体型のあなたの着こなしの注意点
・体型を隠すための大きいサイズ選びはNG!余計にポッチャリした印象を与えてしまう。
・ベージュやライトグレーなどの明るいカラーは膨張色なのでより太った印象を与えてしまう。
・ジャストサイズで着ることが大事!パンツもノータックの方が良い。
・ネイビーやチャコールなどのダークカラーの方が体型をシャープに見せる印象を与える。
・程良いピッチのストライプ柄が縦のラインを強調してシャープな印象を与えてポッチャリ感を緩和してくれます。
5-2.逆三角形のスポーツマン体型

・鍛えられた胸板など逆三角形スポーツマン体型に似合うのはクラシコイタリアスタイルです。
クラシコイタリアスタイルは柔らかいシルエットとバストやアームホールの程よいゆとり感が全体を包み込み、シェイプの効いたウエストラインがスタイルの良さを強調してくれます。
・鍛えられた逆三角形スポーツマン体型のあなたの着こなしの注意点
・上半身がマッチョな人はVゾーンが広めのタイプの方が窮屈感を軽減してくれます。
・二の腕が太い人はアームホールに適度なゆとりがあるタイプの方が着心地が楽になります。
5-3.華奢でスリムなスマート体型

・華奢でスリムな体型のあなたに似合うのはブリティッシュトラッドスタイルです。
ブリティッシュトラッドスタイルは仕立ても構築的でパットもしっかり入っているので華奢な体や胸板の薄さをカバーするメリットがあります。
華奢でスリムな体型のあなたの着こなしの注意点
・少しでも大きめに着てしまうと、服に余りがでて貧弱な印象になってしまうのでジャストサイズで着ることが大事。
・2つボタンなどのVゾーンが深いタイプはスリムさが強調されてしまうので、段返り3つボタンなどをVゾーンが狭いタイプを選び、胸板の薄さを隠していく。
・ストライプ柄は、より華奢に見えてしまうので注意する。
・3ピースなどベストで上半身にボリュームをつけるのもテクニック。
・ライトグレーやベージュ、ブラウンなどの膨張色や暖色系を選ぶことによりスリムで華奢なイメージを払拭することができる。
・大きめのチェック柄は体を膨張して見せてくれるのでOKである。
5-4.高身長のノッポ体型

・高身長のノッポ体型のあなたに似合うのはクラシコイタリアスタイルです。
クラシコイタリアスタイルは背の高さをより強調してしまうようなブリテッシュタイプやモードタイプよりも適度にボリューム感があるのでオススメです。
・高身長でノッポ体型のあなたの着こなしの注意点
・ピッチの広めのストライプ柄などは、より細く見えてしまい縦方向の長さもより強調してしまうので注意する。
5-5.低身長のコンパクト体型

・低身長のコンパクト体型のあなたに似合うのはブリティッシュかモードスタイルです。
出来るだけ目線を上に縦に印象づけるようにするため、Vゾーンが狭いブリティッシュトラッドスタイルかシャープさを強調したヨーロピアンモードスタイルが似合うスタイルになります。
・低身長でコンパクト体型のあなたの着こなしの注意点
・目線を上に上げるため、ボタン位置が上にあってゴージライン(襟のつなぎ目)も上にあるタイプが良い。
・ストライプ柄は縦に印象づけられるので背を高く見せる効果がある。
・ダークトーンの無地や大柄のチェック柄などは、小柄の体型がより強調されてしまう可能性が大きい。
・ライトグレーやベージュの膨張色や明るいカラーの細かいチェック柄などはボリューム感あるように見えるので良い。
・パンツの股下はノークッションもしくはハーフクッションにして、出来るだけ足元がモタつかないように心がける。
スーツ体型お悩みケーススタディ
スーツの着こなしについてよくあるケースの質問や疑問について例を挙げて、Q&A方式で解説していきたいと思います。
Q. 身長高くスリムだが、面長で顔が大きい
A. 身長が高く細身の体型を気にしている場合のポイントして、全体を縦長に見せない工夫をどうするかになります。
まずVゾーンの距離が広くなる2つ釦よりもクラシコイタリアタイプの段返り3つボタンを選ぶことが重要で、段返り3つボタンであればVゾーンの距離が狭くなるだけでなくラペルのロールも柔らかくフワッとします。これにより胸部分を立体的に見せることができて薄い胸板をカバーする効果があります。
・段返り3釦とは・・・・フロントに3つ釦が付いているが、第1釦がラペルの裏に隠れて留められないようになっている仕様。3つ釦ですが、第2釦だけを留める「中1つ掛け」で着用するのが着こなし方になる。
クラシコイタリアの段返り3つボタンはラペルを押さえつけずにソフトに仕上げているので、襟が柔らかく立体的に見えるのが特徴。
次に面長で顔の大きい悩みについてですが、これはラペル幅がポイントなります。7~7.5cmの細いラペル幅だと顔の大きさがより強調されてしまうので8~8.5cmの適度な太さのラペル幅のタイプを選ぶことが重要です。
また、肩幅をジャストより少しだけ大きめにすることで顔の大きさをカモフラージュすることが出来ます。
Q. なで肩といかり型の悩み
A. なで肩とは外側に向かいなだらかに傾斜している肩で、肩先に向かって下がって落ちているように見えるため、弱々しく女性的な印象を持つ場合があるが、その反面ソフトで優しげなイメージを与えることが出来る。
ノーパットジャケットだとなで肩のラインが強調され女性的に見えてしまうのでパットが薄いクラシコイタリアタイプよりパッドのしっかり入ったブリティッシュタイプの方がなで肩をうまくカモフラージュできます。
A. いかり肩とは肩先に向かい上がっている肩で、幅広で角ばったように見えるため、イカつい印象を持つ場合があるが、その反面自信がありしっかりとしたイメージを与えることができる。
パットが厚いブリティッシュタイプだとよりいかり肩が強調されてしまい、ノーパッドだと後ろにツキジワが出てしまいます。薄めのパットが入ったクラシコイタリアタイプかアメリカントラッドタイプが良いでしょう。
Q. 肩幅が広いのに腕が短いのが悩み
A. スーツのサイズの合わせ方の基本としてバスト→肩幅→着丈→袖丈になります。既製服のサイズの考え方として横幅が大きくなれば丈も長くなるという方式があるので、肩幅が大きい場合は、まず肩幅とバストのサイズ感を合わせた後に袖丈を修理で短くするというのが現実的な対応になります。
Q. スラックスをはくとお尻にくい込む
A. 一般的にスラックスをはく位置は腰骨で合わせるのが正しいとされています。しかし、腰骨より上のへその位置ぐらいまで上げてベルトで締めるとスラックスがお尻に食い込んでしまうので、正しい位置でまずはくことが重要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
スーツの選び方についていろいろご紹介してきましたが、この記事を参考にして頂き、失敗しない良い買い物ができることを願っています。