こんにちは!ファッションデザイナーの江森です。
「アンコンジャケットって聞いたことあるけど、どんなジャケット?」
「アンコンジャケットって普通のジャケットと、どこが違うの?」
など、疑問に思ったことはありませんか?
この記事では既に一般化しつつある「アンコン」と呼ばれるジャケットについてプロの目線でわかりやすくご紹介していきたいと思います。
この記事を最後まで読んでいただき、「アンコンジャケットとは何か?」について完璧に理解していただけたらと思います。
Contents
あなたが欲しいアンコンジャケットのイメージは?
あなたが欲しいと思うアンコンジャケットのイメージを下記に挙げるイメージ例の中から選んでみて下さい。
私が考えるあなたのニーズに合ったアンコンジャケットを手っ取り早くご紹介します。
「出張や旅行にも着ていける軽くて防シワ性の高いモノが欲しい!」
「動きやすくてストレッチ性のある着心地の良いモノが欲しい!」
あなたのニーズに合うアンコンジャケットは?
あなたのニーズに合うのはどんなタイプでしょうか?着用シーンに適したアンコンジャケットをご紹介していきます。
2-1.仕事で着ることのできるウール素材アンコンタイプ
BOGLIOLI(ボリオリ)のウールホップサックアンコンジャケット
アンコンジャケットを仕事で着たいあなたには、ウール素材でつくられたタイプがオススメです。
コットンやジャージー素材などと比べても素材にドレープがあり、見た目にもドレッシー感があるのでオフィシャルなビジネスシーンでも違和感なく着用することが可能です。
ノーパットの”完全非構築タイプ”ではなく、裏地も一部付いている”やや非構築タイプ”を選択することで洗練されたジャケパンスタイルを完成させることができます。
ウール素材アンコンジャケットはセレクトショップのドレス売り場やイタリアブランドのポリオリやラルディーニ、ツープライスショップなどのスーツを中心に展開しているショップやブランドで販売されているのでチェックしてみて下さい。
ツープライスショップとは・・・・スーツの価格帯を19000円と28000円などの2プライスゾーンのみで展開するスーツ専門店のこと。
元々は、㈱オンリーが1999年に「The @ SUPER SUITS STORE(ザ・スーパースーツストア)をオープンさせたのが最初である。
その後、スーツカンパニーやオリヒカ、スーツセレクトなどスーツ郊外店が参入し現在では一つのジャンルを形成している。
現在ではプライスゾーンも38000円なども展開しているので実質的にはツープライスではなくなっている。
2-2.出張や旅行に着ることができる合繊ストレッチ素材アンコンタイプ
DESCENTE PAUSE(デサント ポーズ)のポリエステルアンコンジャケット
アンコンジャケットを出張や旅行で着たいあなたにはポリエステルやナイロンのストレッチ素材でつくられたタイプがオススメです。
合繊ストレッチ素材は防シワ性の高いタイプが多く、コンパクトに収納するパッカブル仕様にも向いているのでトラベルユースには最適な一着になります。
ポリエステルやナイロンのストレッチ素材アンコンジャケットは現在のトレンドであり、百貨店ブランドやセレクトショップなどの様々なブランドやショップで販売されているのでチェックしてみて下さい。
2-3.動きやすさを求めて着るならジャージー素材アンコンタイプ
イタリアのブランドCIRCORO(チルコロ)1901のジャージーアンコンジャケット

とにかく動きやすいアンコンジャケットを着たいあなたには、ジャージー素材でつくられたタイプがオススメです。
伸縮性とキックバック性に優れているジャージー素材の特性とパットや毛芯などを使用しない仕立ての軽さがミックスされて快適でスマートな着心地を体感することができます。
ジャージー素材アンコンジャケットも現在人気であり、百貨店ブランドやセレクトショップなど様々なブランドやショップで販売されているのでチェックしてみて下さい。
2-4.クルービズで着ることができるクールマックス素材アンコンタイプ
TOMORROWLANDのクールマックスサッカーアンコンジャケット

クールビズでもエレガントにアンコンジャケットを着たいあなたは、クールマックス混の素材でつくられたタイプがオススメです。
高温多湿で不快指数の高い夏には最適な吸水速乾機能を持ったクールマックス混の素材がジャケットスタイルをより快適なモノにしてくれます。
クールマックスの効果を最大限発揮させるためにも肌に直接触れる面積が多くなるように背裏や袖裏が全く付かない”完全非構築タイプ”を選ぶことがポイントです。
クールマックス混アンコンジャケットは既に夏の定番アイテムとして一般化しているので、各ブランド、各ショップでチェックしてみて下さい。
クールマックスとは・・・・綿の5倍の速さで体から汗を吸い上げて素早く蒸散して、涼しくドライで快適な湿度を保持し体温を下げるという新素材技術のこと。
クールマックスはインビスタ社の登録商標。
アンコンジャケットとは?
ここでは、そもそもアンコンジャケットとは何か?について詳しく解説していきたいと思います。

3-1.アンコンジャケットの定義
英語のアンコンストラクテッド(unconstructed)の略語であり「非構成的な、非構築的な」などの意味を持っています。
要約すると肩パッドや芯地、裏地などをできるだけ省略してカーディガンのように柔らかく仕立てたジャケットのことを指します。
アンコンジャケットをメジャーにするきっかけをつくったのは1980年代のジョルジョ・アルマーニだと言われています。

アルマーニの打ち出したアンコン仕立ての「ソフトスーツ」がそれまでのスーツの常識を変え、その後にナポリやクラシコイタリアなどのブームもあり、”イタリア=軽い仕立て”が現在に定着した経緯があります。
3-2.アンコンジャケットの種類は大きく2つ

現在あるアンコンジャケットは大きく2種類のタイプに分かれています。
1つは肩パットなし、芯地なし、裏地も付いていない”完全非構築タイプ”。

もう1つは肩パットの代わりに肩部分に毛芯などの芯地を入れて裏地も背裏の一部や袖裏も付けている”やや非構築タイプ”です。
アンコンジャケットのメリットは?

アンコンジャケットとは何かについて解説してきましたが、それではどんなメリットがあるのでしょうか?
下記の4つのメリットについて解説していきます。
- とにかく軽く着れるので肩が凝らない
- クールビズにも涼しく着ることができる
- 着回しが効くのでオンオフ兼用で使える
- いかり肩の人でも肩廻りが自然に見えて着こなせる
4-1.とにかく軽く着れるので肩が凝らない
アンコンジャケットは肩パットや内部に使用される毛芯などを省いている分、通常のジャケットより軽く仕上がっています。
ジャケットを着用した際、肩部分は一番重みを感じやすくストレスの原因にもなるので肩廻りが軽いということは長時間の着用では大きなメリットになります。
また、通常胸部分の張りを出すために使用される毛芯がないことにより胸の圧迫感からも解放されて快適で軽い着心地を感じることができます。
4-2.クールビズにも涼しく着ることができる
アンコンジャケットは軽いだけでなく通常のジャケットにはある裏地が全くなかったり、あっても最小限に使用されている場合が多いので通気性があり、春夏でも涼しく着ることができます。
特に湿度が高くジメジメとした梅雨時期や炎天下の蒸し暑い夏の時期など、クールビズ期間といえどもジャケット着用が求められる場面では最適な一着となります。
4-3.着回しが効くのでオンオフ兼用で使える
肩パッドがないことで肩廻りの印象がソフトなイメージになるアンコンジャケットは、ビジネスシーンでの着用だけでなく休日のキレイめドレスカジュアルスタイルにも相性抜群です。
カジュアルシャツやカットソー、ニットなどのインナーとデニムやチノパンなどのボトムとコーディネートしてアンコンジャケットを上から羽織れば”大人の休日スタイル”を演出することができます。
4-4.いかり肩の人でも肩廻りが自然に見えて着こなせる
肩先に向かい上がっていて角ばって見える”いかり肩”の人は、肩パット入りのジャケットを着ると肩がより強調されてロボットみたいになってしまいます。
しかしアンコンジャケットであれば、肩パットがないために”いかり肩”が目立たずに肩のラインを自然に馴染んで見せることができるのです。
いかり肩にとってジャケットが似合わないというのは大きな悩みになっていましたが、その悩みを解消する一着にもなります。
アンコンジャケットのデメリットとは?

イイことずくめのアンコンジャケットですが、デメリットはあるのでしょうか?
あえて挙げてみると下記の3つの点が少し気になります。
- 肩周りにシワが入りやすい
- 裏地が付いていないタイプはすべりが悪い
- なで肩の人が着用するとより強調されてしまう
5-1.肩周りにシワが入りやすい
肩パットが入っていないことで楽な着心地を体感できる反面、完全ノーパットタイプなどではクッションになるものが全くないために体型によっては肩にシワが入ってしまう場合があります。
肩幅のサイズが合っていなかったり、極端な細身で肩の厚みがない場合は肩部分の余りがそのままシワになってしまう可能性もあるので、試着時によくチェックしてみて下さい。
5-2.裏地が付いていないタイプはすべりが悪い
アンコンジャケットの中でも袖裏や背裏が一部付いている”やや非構築タイプ”は大丈夫ですが、裏地が全く付いていない”完全非構築タイプ”の場合は素材によっては背中や袖のすべりが悪くなることがあります。
着脱時や袖を通した時にすべりが悪くモタついたり、汗をかいてベタついてしまうことなどもあるので裏地なしタイプの試着の際には着脱時のすべり具合をチェックすることが重要です。
5-3.なで肩の人が着用するとより強調されてしまう
肩先に向かいなだらかに傾斜している”なで肩”の人がアンコンジャケットを着ると肩が下がっているのがより強調されて弱々しく女性的に見えてしまう場合があります。
なで肩の人がアンコンジャケットを着用する場合はノーパットの”完全非構築タイプ”よりもパットの代わりに薄い毛芯が入り肩廻りを形成した”やや非構築タイプ”を選択することで女性的に見えてしまうという欠点を少しだけ補うことができます。
まとめ
いかがでしたか?
以上のように、あなたの求めるイメージに合わせてアンコンジャケットを選んでいただき快適なジャケットライフを楽しんで下さい。
この記事を参考にして、失敗しない良い買い物をできることを願っています。